介護職の1日
介護職は、シフト制で働くところがほとんど。
朝から夕方までシフトなら、一般的なお仕事と時間帯に差はありません。ただ、夜勤については「長くて大変そう…」「1人体制って聞いたけど、休憩できないの?」と不安かもしれませんね。でも、実は夜勤だからこそのメリットもあるのです。
そこで、ここでは実際に特別養護老人ホームで働いていた筆者が、介護職の1日の流れについて、詳しくご紹介。仕事の内容も合わせて説明するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
介護職の働き方は大きく分けると2つ
介護職の働き方は、大きく分けると次の2つです。
・日勤
・夜勤
日勤は、朝から夕方までの勤務。一方、夜勤は夕方から翌日の朝までの仕事で、1回やるごとに5,000円ほどのお金がもらえます。日勤は、基本的にどの介護施設でもあるシフト。夜勤は、施設によってあるところとないところがあります。
夜勤があるのは、「入所型」と呼ばれる高齢者が住み込むタイプの施設です。入所型の施設には、次のような種類があります。
・特別養護老人ホーム
・有料老人ホーム
・グループホーム
・介護老人福祉施設
これらの施設で介護職として働けば、日勤と夜勤があると考えましょう。次は日勤と夜勤、それぞれの仕事の流れについて説明します。
日勤の仕事の流れ
日勤の仕事は、朝から夕方まで。基本的には、2人~3人で働きます。具体的に始まる時間は施設によって違いますが、ここでは特別養護老人ホームの日勤(9:00~18:00)を例に説明します。
8:45~9:00 出勤、ミーティング
15分前には出勤して、制服に着替え。働き出す前に、身だしなみも整えておきます。9:00になる前に、夜勤の介護職からの申し送りを確認。「○○さん、少し寝つけなかったみたいなので、少し疲れているかも」など、夜の様子に問題はなかったか、情報を共有しておきます。
9:00~11:00 入浴準備、入浴、部屋の掃除
9:00~11:00までは、役割分担してお風呂の準備をしたり、部屋の掃除をします。
入所型の施設では、高齢者は朝に入浴するのが一般的です。入る順番を決めて、着替えやタオルを持ち、お風呂まで誘導。
体を洗い、着替えて部屋に戻ったら、次の高齢者の入浴準備をします。高齢者が入浴している間に、部屋を掃除。シーツの交換やトイレの掃除も行い、高齢者が過ごしやすい空間にします。
11:00~12:30 食事準備と食事の配膳
11:00~12:30は、高齢者の食事をします。人によって、食べやすいように食事をやわらかくしているため、間違いないように配膳します。また一人で食べられない高齢者には、食べるお手伝いをすることも。
「おいしいですか?」「何から食べますか?」など、高齢者とコミュニケーションもとれる大切な時間です。
12:30~13:30 休憩
交代でお昼ご飯を食べます。休憩室でご飯を食べたり、食堂がある場合は食堂で食事をします。他の職員とも、たわいない会話ができる時間です。
13:30~14:30 レクリエーション
13:30~14:30は、レクリエーションを行います。みんなで歌を合唱したり、風船を使ったスポーツや釣りのゲーム、習字、パズルなど種類はさまざま。体を動かしたり、頭を使うことで、認知症の予防にも役に立ちます。
また、「大きな声で話す方が、実は習字がとても好きだった」など、知らなかった一面が見られるのも、レクリエーションの楽しみです。
14:30~15:30 おやつ・お茶
14:30~15:30は、おやつやお茶をします。レクリエーションで体を動かした後、ほっと一息いれる時間です。
15:30~17:00 食器の片付けやトイレのお手伝い、行事の準備、ミーティング
15:30~17:00は、おやつで使った食器の片付けをしたり、トイレを手伝います。体が不自由な方にはトイレに付き添い、おむつをしている方はおむつの交換です。時間があいたときには運動会や夏祭りなど、行事の準備をすることも。
さらに、3週間に1回、同じ階の介護職員と看護師、管理栄養士でミーティングをします。高齢者一人ひとりの接し方やケアの方法など、困ったことがないかみんなで話し合いをして、解決するのです。
17:00~18:00 ケアの記録、夜勤へ申し送り、退勤
17:00~18:00は、高齢者の1日の様子や症状、ケアしたことについてパソコンで記録します。パソコンには記録用のソフトが入っているため、フォーマットに従って書けば問題ありません。18:00には夜勤の人が出勤するため、すぐ申し送りできるようにしておきましょう。
フロアで高齢者を見守りつつ、記入が終わったら退勤です。
夜勤の仕事の流れ
次は夜勤の仕事の流れについて、説明します。夜勤は、基本的に夕方から翌日の朝まで。今回は特別養護老人ホームの夜勤(18:00~翌朝9:00)の仕事の流れを説明していきます。
17:45~18:00 出勤、申し送り
15分前には出勤して制服に着替え。日勤の介護職から、昼の高齢者の様子をしっかり聞いて、仕事に向かいます。
18:00~19:00 夕食の準備、食事や薬を飲むお手伝い
18:00~19:00は高齢者の夕食を準備。さらに、食事や食後の薬を飲むお手伝いをします。食事が終わったら就寝するまで、高齢者はゆっくり過ごします。リラックスしていられるよう、穏やかに接しましょう。
19:00~20:00 就寝のお手伝い
19:00~20:00は、落ち着いて就寝できるようにお手伝いをします。寝る前に歯を磨いて、パジャマに着替え。トイレの誘導や付き添い、おむつ交換を行った後、ベッドへ移動するお手伝いをします。
20:00~0:00 巡回・記録
20:00~0:00は、1~2時間に一回、高齢者の体調や呼吸の様子を確認する「巡回」を行います。高齢者に合わせて、寝返りのお手伝いをしたり、トイレへの誘導、おむつの交換もします。
巡回の間に、介護記録を作成します。
0:00~6:00 休憩や巡回、トイレのお手伝い
介護記録が終わったら、休憩に入り、仮眠を取ります。自分で持ってきた軽食を食べることもできます。時折巡回をしたり、トイレのお手伝いをしたりしながら朝を迎えます。
6:00~8:30 起床、着替え、洗面、朝食の手伝い
6:00になったら、一人ひとり起きるお手伝いを始めます。もし朝に弱い高齢者がいれば、一度「朝食の時間ですよ」と声をかけてから、別の高齢者を起こしに行くなど臨機応変にするのがポイント。
食卓に誘導して、会話をしながら高齢者とコミュニケーションをとりましょう。
8:30~9:00 食事の片付け、日勤に申し送り・退勤
8:30になったら、朝食で使った食器の片付けをします。日勤スタッフが出勤したら、夜の高齢者の様子を伝えて、仕事が終了です。
このように、日勤と夜勤では1日の仕事の過ごし方が違います。夜勤は寝ている高齢者の見守りなので、時間に追われることはあまりありません。
しかし、やはり「勤務時間が長いと、体力が持たない」という介護職もいるのも事実。そこで、勤務体制を変えている介護施設も増えてきています。最後に、介護職の勤務体制について説明します。
施設によって、勤務体制が変わる
介護施設によって、介護職の1日の働き方は次の3つのように違ってきます。
・2交代制:日勤(9:00~18:00)夜勤(18:00~翌朝9:00)
・3交代制:日勤(9:00~18:00)遅番(12:00~21:00)夜勤(21:00~翌朝9:00)
・4交代制:早番(7:00~15:00)日勤(9:00~18:00)遅番(13:00~22:00)夜勤(22:00~翌朝9:00)
現在、日本の介護施設では2交代制がもっとも多いと言われています。
2交代制であれば、夕方から勤務するため、高齢者が起きているときの様子を自分の目で確かめられます。そのため介護職にとって「○○さん、確かに体調悪そうだな…」と状況を把握しやすいのです。
また、夜勤があけた当日と翌日も必ず休みになります。 勤務時間は長くても、2日間休むことができるので2交代制をとっているところが多いのです。
3交代制や4交代制にすると、夜勤あけの当日しか休みではありません。しかし、一人当たりの負担が軽くなるため、「仕事が多い…」というストレスはなくなります。
どちらが自分の働き方に合っているか考えて、施設を選ぶようにしましょう。
まとめ
介護職の1日について、紹介してきました。
入所型の施設では、日勤だけでなく夜勤のシフトもあります。ただし介護職の勤務体制は、施設によってさまざまです。介護職として働こうと思っている方は、自分の生活や体力をよく考えて、施設を選びましょう。
ただし、正職員でもパートでも仕事の内容は変わりませんが、時給が変わってきます。資格を持っていると採用されやすいだけでなく、パートでも時給が高くなるので、取得するのがオススメです。
ぜひこの記事を参考にして、介護職として活躍してくださいね。
介護事務講座の比較に役立つ!無料パンフレット
本サイト「メディクラ」では、介護事務の資格講座のパンフレットを無料で申込むことができます。
講座選びで気になるポイント
「1番安い講座はどれか?」
「自分の希望条件に合う講座はどれか?」
を一括で比較できるので、講座選びの参考にお役立て下さい。パンフレットを読んで具体的なイメージを掴み、モチベーションもアップさせちゃいましょう!
下記のリンクより、通信講座またはお住いの都道府県を選択してパンフレット送付をお申し込み頂けます。